「ココナッツの水を飲むと、ウナギにキスをすることになる」というお話をご存じですか?
ヒナとココナッツの伝説を読んでみるとその理由が分かります。
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【Tahitiの伝説】ヒナとココナッツの伝説
王子様は…ウナギ!
16歳のとき、パペウリリの美しい王女ヒナは、両親によってヴァイヒリア湖の王子ファアラヴァイアヌウとの結婚を約束されます。
ところが、紹介された夫を見てヒナは仰天します。
湖の王は巨大なウナギだったのです。
恐れをなしたヒナはタイアラプ半島のヴァイラオに逃げ、神マウイのもとに身を寄せました。
王子、つまりウナギのファアラヴァイアヌウは湖を出て、ヴァイヒリア渓谷を進み、ついにヒナを見つけ出しました。
マウイは恐れおののき、崖に2体の石のティキ像を置きました。
その保護の力で、恐ろしいウナギを捕まえることに成功します。
そしてウナギを3つに切り分け、その頭をタパ(植物の繊維で作られた布)で包み、ヒナに渡しました。
「この包みを家に着くまで地面に置いてはいけない。そして自分のマラエ(聖域)の囲いの中心に植えなさい。このウナギの頭には大きな宝が詰まっている。これで家を建てる材料、飲み物、食べ物が得られるだろう。」
マウイの助言を忘れてしまう
ヒナは出発します。
しかししばらくして侍女たちと水浴びをしたくなり、包みを草の上に置いてしまいました。マウイの助言を忘れていたのです。
すると地面が裂け、ウナギの頭を飲み込んでしまいました。
するとそこから植物が生え始め、大きく成長していきました。
それは太陽に向かって頭を持ち上げる巨大なウナギのような奇妙な木になりました。
それが最初のココナッツの木(ツム・ハアリ)の誕生でした。
ココナッツの木は耐え抜く
ヒナはもう家に戻れないと悟ります。
この新たな富の成長を見守る必要があるのです。
時が過ぎ、大干ばつが訪れましたが、ココナッツの木だけが耐えました。
人々はその実を味わい、甘い水を見つけました。
そしてその実には3つの暗い斑点があり、それはウナギの目と口の形をしていました。
こうして、ヒナのようにココナッツを飲むことは、かつて拒否された王家のキスを味わうことを意味するようになったのです。
ファアラヴァイアヌウの痕跡は今も
今日、ヴァイヒリア渓谷を上空から見ると、川の流れがウナギの道を思わせ、ヒナを見つけるために進んだファアラヴァイアヌウの軌跡を思い出させます。
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